欠勤控除の計算はどのようにしたらいいか?

欠勤控除の計算はどのようにしたらいいか?

2020/09/25

 毎月の恒例となっている給与計算で、ときどきイレギュラーなことがあると、どうしたらいいか悩むことはありませんか?
 そこで、今回はお問合せの多い欠勤控除の方法について解説します。
 時給制のパートタイマーが欠勤や遅刻・早退したときは、その日、その時間分の給与はカウントしないため、容易に給与計算ができます。しかし、(日給)月給制の社員が欠勤した場合は、どのように計算したらよいのでしょうか?
 社員であっても完全月給制ではない限り、給与はノーワーク・ノーペイの原則から、労働しなかった時間や日数に相応する分については減額します。この場合、就業規則(給与規程)で計算方法を決めておく必要があります。
 
 日単位の欠勤控除の計算では、月の所定労働日数の算出が重要になります。月の所定労働日数の算出方法には、年間の平均で算出する方法と、各月ごとの所定労働日数で計算する方法があります。各々のメリットとデメリットを見ていきます。

 
1.年間の平均の所定労働日数で算出する方法
まず、欠勤控除の計算式は次のとおりになります。

控除額=月例給与額÷年平均の月所定労働日数×欠勤日数

 
「年平均での所定労働日数」は、労働基準法に定められた割増賃金の計算方法に準じたもので、算出方法は次のとおりです。

(365日-就業規則等で定められた年間の所定休日数)÷12ヵ月

 
例えば、所定休日が日曜日52日、土曜日51日、祝日15日、年末年始4日の場合の「年平均での所定労働日数」は、
⇒ 365日-(52日+51日+15日+4日)÷12ヵ月=20.25日になります。(※以下、20.25日を20日として解説)
 
☆メリット
 欠勤1日あたりの控除単価はその月の所定労働日数に関係なく一定のため、毎月の給与計算がやりやすくなります。
 
★デメリット
 たとえば、所定労働日数が21日の月に20日欠勤すると、1日勤務したにもかかわらず給与がまったく支払われないということになってしまいます。
 上記の矛盾を解決する方法として、一定の日数を設けて欠勤控除の適用方法を2つに分ける方法があります。
 まず、基本的には減額方式(欠勤時は控除式で欠勤した日の給与を控除する)を採り入れます。しかし一定の日数(例えば、10日)を超えた欠勤については、加算方式(実際に勤務した日数分の給与を支払う)に切り替えます。
 
〇欠勤が10日以下の場合(減額方式)
⇒「月例給与額÷年平均の月所定労働日数×欠勤日数」
 
〇欠勤が10日を超える場合(加算方式)
⇒「月例給与額÷年平均の月所定労働日数×出勤日数」

 
2.月例給与額÷該当月(給与計算期間)の所定労働日数×欠勤日数
 その月の給与計算期間中の所定労働日数で、欠勤1日の控除単価を決めます。例えば、給与計算期間が9月1日~9月30日で、日曜日4日、土曜日4日、祝日2日の場合に、
⇒ 30日-(4日+4日+2日)= 20日  となります。
 
☆メリット
該当月(給与計算期間)の所定労働日数で割るため「1.月の所定労働日数を年間の平均で算出する方法」のような矛盾は生じません。
 
★デメリット
 該当月の所定労働日数は、各月によって違う場合がありますので、欠勤1日あたりの控除単価が変動します。
 月給制は、所定労働日数や歴日数が月によって変動しても一定の固定給を支払うという制度です。同じように働いているのに、月によって欠勤1日の単価が異なるという矛盾は残ります。

 
3.その他の留意点
 欠勤控除の対象となる給与を、基本給のみとする場合と、家族手当や住宅手当などの諸手当も含める場合の2つがあります。
 前者の場合、1ヵ月間すべて欠勤すると諸手当のみ満額で支給されます。このような場合には、一定の日数を超えて欠勤したら諸手当も含めて日割計算する等、社内ルールを決めておくのが必要になります。