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人生100年時代と年金制度の改正(その2)

人生100年時代と年金制度の改正(その2)

2020/09/01

◆長期化する高齢期の生活基盤の充実を図るために

 戦後から平成にかけての職業観は、新卒で入社した会社で定年まで勤め上げるのが、美徳とされていました。
 日本の人事制度は終身雇用制度と年功序列が基軸となっていますので、ひとつの会社に人生を捧げることで、その見返りとして、経済的に安定した人生を送ることを保証しています。事実、ゆとりある老後生活を送っている人の多くは、大企業に入社してから定年までの約40年間、勤め上げた人たちです。
 
 日本経済はバブル崩壊後、ゼロ成長時代に突入しました。そして今の時代、新卒で入社した会社がいつまでも存続するという保証はなくなりました。
 今回のコロナショックにも見られるように、想定外の出来事により、あるいは破壊的イノベーションにより、大企業であってもいつ存続が危ぶまれる事態を招いてもおかしくない時代を迎えています。
 これからは、男性でも子育てを行ったり、親の介護をしたり、時には学生に戻って学び直すなど、長い期間にわたり多様な形で働くようになることが見込まれています。
 そこで、今後の社会・経済の変化を年金制度にも反映させて、長期化する高齢期の生活基盤の充実を図るために、年金制度改正法が6月に成立しました。年金制度改正は、70歳までの就業を視野に入れているため、多くの人や会社に影響が及びます。
 
 「人生100年時代と年金制度の改正」の第2回目は、主に確定拠出年金制度の改正について解説します。
 国では公的年金の給付額の減少を補てんするために、税制上の様々なメリットを付与して確定拠出年金の普及に努めています。
 確定拠出年金は、雇用の流動化にも対応した制度です。いつまでも会社に依存せず、自分で人生100年を設計しなければなりません。そのような時代の要請に応えた制度となっています。

 

◆法改正の内容

1.確定拠出年金の加入上限年齢の引上げ等
 確定拠出年金(DC)制度は、基礎年金や厚生年金などの公的年金制度に上乗せして、拠出された掛金とその運用収益との合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度です。漸減する公的年金の給付額をカバーする制度でもあります。
 
 確定拠出年金は、掛金を事業主が拠出する「企業型」と、加入者自身が拠出する「個人型」(iDeCo,イデコ)があります。
現在、「企業型」は65歳未満が加入上限年齢となっていますが、2022年5月より70歳未満へ引き上げられます。また、「個人型」は60歳から65歳未満へと変更になります。
 
 2020年10月からは、中小企業向け制度(簡易型DC・iDeCoプラス)の対象範囲が、従業員規模100人以下から300人以下へと拡大されます。
「簡易型DC」は、「企業型」をパッケージ化することでシンプルな制度設計とした企業型年金です。「iDeCoプラス」は、企業年金を実施していない中小企業が、従業員の掛金との合計を拠出限度額の範囲内とすることで、掛金を追加拠出することができる制度です。
 加えて、「企業型」に加入している方がiDeCoに加入しやすくなります。現在、「企業型」に加入している方がiDeCoに加入するには、労使の合意が必要ですが、これが不要となります。

 
     

2.その他の改定
 ➀国民年金手帳の送付から、基礎年金番号通知書も送付に切替え
 ➁未婚のひとり親等を寡婦と同様に国民年金保険料の申請全額免除基準等に追加
 ➂短期滞在の外国人に対する脱退一時金の支給上限年数を3年から5年に引上げ
 ➃年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し
 ➄児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直し 等