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賃上げとは? ベアとは? 定昇とは?

賃上げとは? ベアとは? 定昇とは?

2023/02/14

今年は年明けから、物価高や人手不足、あるいはグローバル人材の獲得を背景にして春闘の話題で持ちきりです。

ユニクロが年収を最大で40%アップなど大企業の賃上げのニュースが連日報じられています。

 

価格転嫁が難しい中小企業ではどの程度賃上げに対応できるかまだ未知数ですが、

経営者側としては例年以上の姿勢で臨まざるを得ないのは必至のようです。

 

賃上げ(賃金引上げ)について詳しく知る機会がありませので、今回は実務的な内容を解説したいと思います。

昇給の時期が近づいていますので、参考にしてください。

 

 

  • 対象となる賃金

まず毎月支払われる月例賃金について整理します。

月例賃金は大別して基本給と諸手当(家族手当、役職手当、通勤手当、割増手当等)から構成されています。

賃上げの対象は基本給になりますので、家族手当等の諸手当の金額が増えても、あるいは賞与が増えても賃上げにはなりません。

会社によっては基本給を本給や職能給、年齢給などの名称で構成している場合に、これらが賃上げの対象になります。

 

 

  • 賃上げの方法

賃上げの方法には「ベースアップ(ベア)」と「定期昇給(定昇)」の2通りあります。

ベアは字のごとく、ベース(基本給)をアップ(底上げ)させることをいいます。

インフレにより賃金の水準が消費者物価と比べて相対的に低くなったときや、世間相場より低いときに行います。

 

具体的には賃金表がある会社では、賃金表に記載された金額に一定比率を乗じたり、

比率ではなく一定金額を上乗せして賃金表を書き換え、新しい賃金表に基づき支給します。

賃金表がない会社では定期的にベアを実施することはないかと思います。

 

バブル崩壊後デフレ景気が30年続いていましたので、ベアを行う会社は少数でした。

 近年、先進諸国と比較して日本の賃金は低水準であると指摘されていることから、ベアの重要性が叫ばれています。

 

 

一方「定昇」は、決められた時期を基準にして年齢や勤続年数に応じて行うものと、評価結果を反映させるものの2通りがあります。

各人によって上がる金額は異なります。

 

年齢給や勤続給などを導入している会社では、就業規則(賃金規程)で定められたルールに基づき自動的に基本給を上げるため

「自動昇給」ともいわれます。

後者の評価による昇給は、「査定昇給」といわれています。

 

また、定昇は従業員数や年齢構成が同じならば、企業の人件費負担は大きく変わりませんが、

ベアは賃金の底上げになりますので、人件費総額が増えて企業負担が重くなります。

業績の見通しが不透明なときほど経営者側は、ベアに対して難色を示します。

 

ベアと定昇は、通常同じ時期に行います。順番としてはベアのあとに定昇となります。

 

 

なお、上位等級に昇格した場合に「昇格昇給」制度を設けている会社もあります。この「昇格昇給」も賃上げの対象となります。

 

 

  • 賃上げの推移

厚生労働省による、過去27年間の民間主要企業(資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上で労働組合がある会社)の賃上げ率をみていきます。

 

2000年以降の賃上げ率は2%前後、金額は5,500~7,000円で推移しています。

中小企業は2009年以降の統計はありませんが、それ以前では率で1.0~1.5%、金額で3,000~4,000円の賃上げとなっています。

ちなみに民間主要企業の2022年の賃上げ率は2.2%、金額は6,898円でした。

 

果たして今年はどうなるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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