働き方改革のよもやま話
2022/05/20
2022/05/20
もうすでに日常用語として定着した働き方改革は、3年前の2019年4月に関連法が施行されて始まりました。
目的は年々人口が減少する中で、「一億総活躍社会」の実現に向けて多様で柔軟な働き方が選択できる仕組み作りです。
「一億総活躍社会」という用語は、安倍元首相時代に掲げられたものです。懐かしいですね。
具体的な施策としては、年5日の有給休暇取得の義務化や残業時間の上限規制、同一労働同一賃金の実現などがあります。
施行から3年が経ち、当初予想していたよりも広く浸透しています。
施行されて1年後にはコロナ禍となり、ワークスタイルや企業の在り方についての考え方が大きく変わるようになりました。
コロナ禍が追い風となってテレワークが急速に広がり、働き方の多様化が一気に進みました。
ここで、働き方改革の最新事例をいくつかご紹介したいと思います。
一つ目は、先日、コンペで一緒にプレーした会社役員A氏の働き方改革です。
A氏の出社は週1回。
ほぼ在宅勤務で、働きやすい環境作りのため家の一部を改築したそうです。
退屈しのぎに犬を飼い、運動不足解消を兼ねて昼食後の散歩を日課としています。
料理も始めたと言います。
夏場は早朝にハーフプレーで汗を流したあと、オンライン会議に臨みます。
ここまでくると働き方改革を超えて、生活改革という表現の方がふさわしいかもしれません。
テレワークには、コミュニケーション不足やメンタル不調などの弊害が報告されていますが、A氏には今のところそのような
副反応はないようです。
余談ですが、A氏とプレーした日、私は初めてイーグルを奪いました。
パー4の第2打目は残り125ヤード。
迷うことなく9番アイアンを握り会心の当たり。
イメージ通りにピン手前に落ちて、バーディーチャンスと思ったら、ボールがスルリとカップに吸い込まれました。
思わず、ガッツポーズ。
横道に逸れましたので、本題に戻ります。
続いては、最近話題の多い「週休3日制」。
4日働いて3日休み。年間休日はなんと160日もあります。
それに有給休暇が加わり年間で170~180日ほど休みます。
働き方改革もここまでくると、まさに「改革」です。
著名な企業が優秀な若手人材の確保を目的として次々と導入していることから、新聞などで目にする機会が増えました。
既に導入している企業に話を聞くと、確かに、若年者の応募は増えているようです。
週休3日制が適用される社員の特徴として、遅刻が多いとも聞きます。
しかし、人手不足の折、今後中小企業でも広がることが予想されます。
週休2日制だけれども、1日の勤務時間を短くした「短時間正社員制度」の相談もあります。
家庭の事情でフルタイム勤務や残業はできないが、有能な人材であると正社員と同等の待遇で、一定の責任と権限を付与して働く制度です。
これも優秀な人材の離職防止・人材確保が目的です。
正社員であった女性が、育児休業後に短時間勤務制度で働くケースはよくあります。
最近増えているのは、パートタイマーでも有能な方を対象としています。
パートというと補助的なイメージがあるため雇用形態を変えて、貴重な戦力として活躍をしてもらうための制度です。
どこまで進むのか、働き方改革。
働く人にとって選択肢が増えるのは結構なことです。
育児や介護、リカレント教育などやむを得ない、あるいは前向きな理由での導入なら納得できますが、
ただ応募者を増やしたいだけの目的だと、優秀な人材どころか怠け者の採用につながることはないのだろうか、という疑念が残ります。
既存制度も併用する場合に、既存制度で働く社員との不均衡は是正できるのだろうか、といった疑問も浮かびます。
働き方改革は広がったら広がったで、これから新たな課題がでてくるのではないでしょうか。
社会保険労務士法人ジンザイでは、働き方改革についてご相談を受け付けています。
新しい制度の導入やリニューアルなどでお悩みの際は、お問合せ下さい。
社会保険労務士法人 ジンザイ
〒221-0056
横浜市神奈川区金港町6-14 ステートビル横浜6階
(横浜駅下車 きた東口徒歩5分)
TEL:045-440-4777