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中小企業経営者のための退職金準備

中小企業経営者のための退職金準備

2021/08/27

オーナー経営者は会社員とは異なり、定年はありません。
その気になれば、いつまでも働くことができます。
しかし、いつかは引退の時期を迎え、これまで蓄えてきた資産や年金で老後生活を送ることになります。
 
経営相談を受けていると、意外にも中小企業経営者はご自身の退職金について疎かったり、計画的ではないのに驚くことがあります。
引退が近づいてから慌てて退職金の積み立てを始めたり、積立準備をしていない場合は金融機関から借り入れたり、あるいは会社から分割で
退職金をもらうなどの事例をよく聞きます。
 
そんなとき、早く相談してくれれば、早く出会っていれば・・・と残念に思います。
そこで、中小企業経営者向けの主な積立制度をご紹介します。
要点と注意点をまとめましたので、この機会に確認してみてはいかがでしょうか?

 
 

1.小規模事業共済

最もオーソドックスな制度です。
小規模事業共済は、経営者向けの退職金積立制度です。
掛金は月額1,000円から70,000円の範囲内で自由に設定できます。
メリットとして掛金の範囲内(10万円以上2,000万円以内)で事業資金の借入れができます。
 
掛金は全額所得控除で、一括受取りは退職所得扱い、分割受取りは公的年金等の雑所得扱いとなります。
留意点としては、解約の際、加入者の立場(個人、法人、共同経営者)や請求事由によって受取額が異なることです。
また、加入期間6~12ヵ月未満での解約は掛捨てとなります。
 
なお、小規模事業共済に加入するには、次の要件に該当する必要があります。
・建設業、製造業、運輸業、不動産業、宿泊・娯楽業等は、常用労働者数20名以下の会社(個人事業主を含む)であること
・卸・小売業、サービス業等は、常用労働者数5名以下の会社であること

 

2.経営セーフティネット(中小企業倒産防止共済)

経営セーフティネットは、通称「倒産防(とうさんぼう)」と呼ばれていて、取引先が倒産した際に、中小企業の連鎖倒産を防ぐための
共済制度です。
無担保・無保証で被害額又は掛金総額の10倍まで借入れができます。
また、取引先が倒産していなくても解約手当金の95%の範囲内で借入れが可能です。
 
退職金積立としても活用されています。
ただし、積立の上限は掛金総額で800万円までです。
掛金は月額5,000円~20万円の範囲内で自由に選択できます。
掛金は、法人は損金、個人事業主は必要経費扱いになります。
 
なお、解約の際は、加入期間12ヵ月未満は掛け捨て、12ヵ月以上は8割以上戻り、40ヵ月以上で掛金全額が戻ります。

 

3.生命保険

生命保険はたくさんの種類がありますが、本稿では退職金の積み立てとして利用される養老保険いついて解説します。
養老保険は、経営者や従業員の万が一の保障に備えるための生命保険であり、かつ、将来の退職資金を積み立てることができる制度でも
あります。
 
掛金(保険料)は、定年年齢と保険金額(死亡保険金)によって決まります。
通常、保険料は支払保険料のうち1/2は保険積立金として資産計上となり、残りの1/2は福利厚生費として損金算入扱いとなります。
注意点としては、経営者または特定の使用人のみを被保険者としている場合や、大半が同族である場合は、損金部分は福利厚生費ではなく
給与扱いとなります。

 

4.確定拠出年金(日本版401K)

確定拠出年金(401K)は、個人が任意で加入する個人型(通称、iDeCo)と企業が退職金制度または福利厚生制度として導入する企業型の
2種類があります。
ここでは、企業型401Kについて解説します。
 
企業型401Kは厚生年金の上乗せ制度で、会社(または経営者)が掛金を拠出し、いくつかの金融商品の中から自分が選択して、自分で年金
資産を運用する制度です。
運用がうまくいけば高利回りも期待できますが、逆に元本割れリスクもあります。
運用に自信のない方は定期預金を選択してください。元本割れリスクはありません。
 
掛金の拠出は、次の3つから選択できます。
①会社と経営者の双方が拠出
②会社のみ拠出
③経営者のみ拠出
 
会社が掛金を拠出する場合は退職金の積み立て、経営者のみが拠出する場合は、福利厚生制度、双方が拠出する場合は、退職金兼福利厚生に
なります。
掛金は、確定給付企業年金を実施していない場合は月額55,000円以内(実施している場合は月額27,500円以内)です。
また、掛金について法人は損金、受取り時は所得税・住民税ともに控除、運用益は非課税となり、税制上優遇措置が施されています。
 
企業型401Kのメリットはたくさんあります。
退職金積立ができること以外に、社会保険料の削減と節税があります。
社会保険料と税金(所得税・住民税)は、諸手当を含めた給与総額に対してかかりますが、企業型401Kに加入した場合は、給与総額から掛金
を控除した残りの金額に対してかかります。
そのため、掛金相当額の加入者及び会社が負担する社会保険料が削減します。
同じく税金も削減になります。
なお、企業型401Kは、厚生年金に加入している他の役員や従業員も対象になります。

 

お問合せ先

社会保険労務士法人ジンザイでは、経営者及び従業員の退職金制度設計、規程作成、外部積立制度、不利益変更について総合的なコンサル
ティングを行っています。
詳しくは、お問合せ下さい。
 
社会保険労務士法人 ジンザイ
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