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年金事務所調査のいろいろ!

年金事務所調査のいろいろ!

2019/02/01

労働基準監督署や労働局、年金事務所などの行政機関では、法令遵守を目的として調査を実施しています。調査の中でも最近厳しくなってきたという声をよく聞く年金事務所の調査を取り上げます。調査の立会いや代理出頭の依頼をよく受けますが、確かに昨年あたりから急に厳格になっているのを感じます。そのため、これまで以上に事前に細かくチェックするように心がけています。

もちろん、年金事務所や担当職員によっても差異はありますが、やはり国全体として厳格化が進んでいるようです。

 

  • 調査の種類

年金事務所による調査は、次の4種類があるといわれています。

  • (1)総合調査

原則、4年から5年の周期で行われます。事業所における被保険者の資格取得、喪失及び報酬等の届出状況、被扶養者の認定及び保険料控除について、適正に申告・届出がなされているかを総合的に行います。

  • (2)事故調査

日常業務を処理する間に発見した事故又は事故の疑いがある事業所、被保険者や第三者及び関係機関等からの情報提供により事故が予測される事業所について行う調査です。

  • (3)特別調査

総合調査及び事故調査以外のものについて、特に必要がある場合に行う調査です。具体的には、会計検査院の指摘に基づく調査などがあります。

  • (4)定時決定時調査

7月の算定基礎届の際に、適正な標準報酬月額の決定及び円滑な事務処理を図るため、賃金台帳等を提示させ算定基礎届総括表、同附表及び算定基礎届の記載内容と突合させる調査です。

 

2.最近の調査動向

 上記の調査の中で最も多く実施されるのが総合調査です。総合調査では、過去2年分の出勤簿やタイムカード、賃金台帳、源泉所得税領収証書などをみながら、各帳票の整合性等を細かく確認します。とりわけ最近の傾向としては、役員報酬の変動や社員の昇給時に月額変更届の忘れはないか、社会保険の適用範囲拡大による短時間労働者の取得漏れはないか、2か所以上から給与が支給されている人はいないか、非常勤役員の社保加入に関しては細かくみられます。年金事務所によっては、証明書類として会社の議事録等の補足書類を求める場合もあります。 

 

3.調査で怖いのは・・・

そして、なによりも調査で怖いのは、資格取得届・月額変更届・賞与支払届などの提出が漏れている場合の遡り手続きです。下表は4月に給与(報酬)が50万円から70万円にあがったにもかかわらず、月額変更届の提出を忘れて、調査の時に指摘された場合の遡及額です。保険等級が上がることにより本人負担分の差額だけで合計138,330円増となります。会社負担分の差額と合わせると2倍の276,660円増となります。届出を失念した人が多数いると、差額徴収だけでも高額の保険料が請求され、資金繰りに大きな打撃を与えかねません。リスクを抑えることを考えると、普段からルールに基づいた手続きをするのが無難といえます。