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外国人を雇用する際のチェックリスト

外国人を雇用する際のチェックリスト

2020/02/18

日本で働く外国人労働者は、毎年増加の一途を辿っており、2018年10月現在で約146万人います。前年度より14.2%も増加しています。

国籍別では、中国が最も多く389,117人(外国人労働者数全体の26.6%)。次いでベトナム316,840人(同21.7%)、フィリピン164,006人(同11.2%)、ブラジル117,299人(同9.2%)と続いています。

ちなみに、横浜市内の外国人は令和2年1月現在で約10.4万人います。国籍別では中国約4.2万人、韓国約1.3万人、ベトナム・フィリピンが約0.9万人と続いています。
人手不足を背景に、これからも外国人雇用が拡大することが予想されます。

横浜市ホームページ 令和2年(2020)1月現在 外国人の人口
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/tokei-chosa/portal/jinko/gaikokujin/r2gaikokujin.html

社会保険労務士の立場から、外国人労働者を雇用する際の労務管理上の留意点をチェックリストにまとめましたので、採用や退職の際などに活用してください。

 
<在留資格・雇用管理関係>
▢雇入れの際は、就労できる在留資格や在留期限であるかを「在留カード」で必ず確認している。
▢雇入れの際や労働条件が変更になった際は、雇用契約書の締結(又は労働条件の通知書の交付)を必ず行っている。
▢採用時に就労資格証明書を取得しているか確認している。
▢必要な在留資格を取得できない場合、または更新できない場合に備えて、雇用契約書(労働条件通知書)には「採用内定を取消できる」、「労働契約は終了する」等の文言を入れている。
▢在籍している外国人労働者に対して、各人ごとの在留期限を管理し、更新時期等を確認している。
▢留学生をアルバイトとして就労させている場合、「資格外活動許可」を受けているかを確認している。
▢国籍を理由として、賃金や労働時間などの労働条件について、差別的な取扱いをしていない。
▢外国人労働者のパスポートや在留カードは会社で保管していない。
▢労働基準法等の関係法令を外国人労働者にも適用させている。
▢外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、雇用労務責任者を選任している。
▢外国人労働者に対しても、入社時及び年1回定期に健康診断を実施している。また、安全衛生教育を実施している。
 
※外国人の採用では入管法で定められている在留資格の活動範囲と就労可否を判断する必要があります。正規の就労資格を持たない外国人を働かせたり、認められた在留資格に該当しない業務を行わせると不法就労となり本人は退去強制等に処せられ、会社も不法就労助長罪として、処罰の対象になります。

 
<社会保険・雇用保険制度>
▢社会保険・雇用保険の加入条件を満たしている場合は、日本人と同じく適正に加入手続きをしている。
▢社会保険の資格取得届の提出時には、ローマ字氏名届(被扶養配偶者が外国人の場合も含む)の提出をしている。
▢雇用保険の加入条件を満たさない場合であっても、雇入れ・離職の際は「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出している。
▢社会保障協定が適用され、日本の社会保障制度への加入が免除される外国人の場合、相手国の「適用証明書」が交付されているか確認している。
 
※社会保障協定とは、「保険料の二重負担(二重加入の防止)」・「保険料の掛け捨て」を防止するため、二国間で調整するための協定です。

 
<給与計算関係>
▢給与計算では、日本国籍の従業員と同じ取扱いをしている。
▢海外在住の扶養親族を税法上の扶養親族とする場合、「親族関係書類」や「送金関係書類」を提出してもらっている。
▢税法上の非居住者にあたる外国人に対しては、国内源泉所得について20.42%の所得税等を源泉徴収している。
 
※非居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人になります。
 

<退職時>
▢やむを得ず退職勧奨する場合は、十分な期間の猶予を与えるなど配慮している。
▢退職後の住民税の支払は、必ず自分で納付するように説明している。
▢6ヵ月以上厚生年金に加入している外国人に対して、「脱退一時金」が受給できることを説明している。
▢年金加入資格期間が10年以上ある外国人に対して、老齢年金が受給できることを説明している。
 
※就労の在留資格を持っている外国人が退職する場合、在留期間が満了するまでに新しい就職先が見つからないと就労の在留資格の更新が許可されません。
外国人にとっては切実な問題となりますので、退職時には十分な配慮が望まれます。