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労働基準監督署と年金事務所の“調査”の特徴

労働基準監督署と年金事務所の“調査”の特徴

2020/02/19

 昨年4月に働き方改革関連法が施行され、今後労働基準監督署の調査が増えることが予想されてます。
 一口に‶調査″と言っても、大別すると労働関係と社会保険関係の2種類があって、管轄する行政機関も複数に及びます。
 調査の結果、問題や不正が発覚した場合は「将来に向かって改善」という優しいものから、過去に遡って修正申告、遡及払いや支給されたお金の返還、あるいは悪質な場合は企業名の公表という厳格な処分に至るまで様々あります。
 
 労働分野では各都道府県の労働局で、毎年、監督指導を実施した結果を公表しています。
 ご参考までに、神奈川県労働局の調査結果(令和1年10月公表)は、下記をご覧ください。
               https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/content/contents/000523449.pdf
 
 これまで企業の顧問社会保険労務士として横浜市や川崎市を中心とした神奈川県内、あるいは東京都内の行政機関の調査に何度となく立ち会った経験から、行政機関ごとの調査の目的・特徴、最近の傾向をまとめました。調査の際に参考にしてください。

 
1.年金事務所による調査
 従業員や常勤役員が適正に社会保険(健康保険と厚生年金)に加入しているか、給与額を正しく申告しているか、などを調べます。これまでの年金事務所の調査は、原則として4年に1回、社会保険の算定基礎届のときに行われていましたが、近年では不定期に行われる総合調査に移行しています。概ね過去2年間について細かく調べます。
 また、新規に社会保険に加入した会社に対しては、原則として1年以内に調査が行われます。
 最近の傾向としては、非常勤役員であっても報酬額や勤務実態などから判断して社会保険加入を指導されたり、2ヵ所以上の事業所から給与(報酬)が支給されていれば、合算して申告するよう指導されます。

 
2.労働基準監督署による調査
  労働基準監督署が実施する調査は、次の3つに分類できます。
 
(1)労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法の遵守に関する調査
 会社にとって、最も嫌な調査かもしれません。最低賃金の遵守、36協定や就業規則の届出、労働時間の管理方法、健康診断の実施状況などについての調査です。この労基署の調査には定期監督と申告監督があります。前者の定期監督は労基署が任意に業種などを特定して、労働基準法等の遵守状況について広く調べます。 
 もうひとつの申告監督は従業員が会社の違法状態を訴え、それに基づき行われるものです。定期監督は比較的広く浅く、申告監督は狭く深く行われるのが特徴です。
 調査の結果、労働基準法や労働安全衛生法の違反行為があれば、指導票や是正勧告という行政指導・処分を受けます。比較的軽易な法違反の場合は事後速やかに対処すれば一件落着となりますが、重い場合はそういう訳にはいきません。
 近年の調査の傾向では、労働時間管理の方法、有給休暇の取得状況、残業が多い会社には残業削減と健康管理対策、過半数代表者の選出方法、休憩時間の確保状況などについて細かくみられル傾向があります。
 
(2)労働保険料に関する調査
 時々行われる調査です。労働保険料(労災保険と雇用保険)を正しく申告しているか、雇用保険に適正に加入しているか、などについて調べます。
 
(3)労働安全衛生に関する調査
 多くはありませんが、主に製造業や建設業を対象に、有害物質の取扱い、作業現場の危険防止対策状況などについて調べます。重大な労災事故が発生した場合は現地調査があります。

 
3.労働局による調査
(1)労働者派遣業や有料職業紹介業に関する調査
 許可された労働者派遣や有料職業紹介が、法令に基づき適正に行われているかについて調査します。
 
(2)雇用関係の助成金に関する調査
 厚生労働省管轄の雇用関係の助成金が支給された会社に対して、要件を十分に満たして支給されていたか、不正受給はないかについての調査です。

 
4.会計検査院による調査
 会計検査院は、行政機関が適正に業務を遂行しているかをチェックするための機関です。そのため、個別企業に直接、調査をするというよりも、上記行政機関を通じて、社会保険加入や保険料計算、助成金支給の適否を調査します。
 滅多に当たることはありませんが、最も厳格な調査と言えます。労働基準監督署や年金事務所の職員が会計検査院に対して、終始低姿勢だったのが印象に残っています。

 
後 記
 年金事務所も労働基準監督署も調査は、通常1人で行います。そのため、担当官の性格・特徴に左右されることが多々あります。
もう少しかみ砕いて言うと、担当官によるアタリ・ハズレ、運・不運があります。まずは、いい担当官に当たるかどうかがポイントです。(笑)