4月は給与計算チェックのタイミング!
2020/04/22
2020/04/22
4月は新入社員の入社や人事異動等も多くなる時期です。また、家庭でも3月末に退職して扶養家族に入ったり、学校を卒業されたお子様が就職したり、変化の多い時期です。
人が動くとき、また年度替わりは、給与計算及び社会保険も変更事項がたくさんあります。特に社会保険は年齢によって控除する保険料項目が異なりますので、この時期に改めて確認しておくと便利です。
1.扶養家族の変更
子供が就職して社会保険や税法上の扶養から外れる場合は、社会保険の届出や給与計算等の際の扶養人数の変更が必要です。
また、特に注意が必要なのは、『家族手当』です。税法上の扶養者や社会保険上の扶養者を対象に家族手当を支給している場合、既に家族手当の対象年齢ではないのに何年間も家族手当を支給し続けているケースがあります。自社の家族手当の支給要件をこの機会に確認する必要があります。
2.保険料の改定の確認
3月に健康保険料及び介護保険料が改定される場合があります。全国健康保険協会(協会けんぽ)は今年改定がありました。都道府県別で異なりますので、確認する必要があります。健康保険組合は組合によって異なります。
今年、雇用保険料率の改定はありませんので、従来の保険料率で給与計算を行います。厚生年金保険料は、当面、現在の保険料率を維持することとなっています。
ご参考までに、「協会けんぽ 神奈川支部」の令和2年3月以降の社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)は、下記をクリックしてください。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r2/ippan/r2030114kanagawa.pdf
3.年齢別の社会保険料控除
社会保険制度は、年齢別の各々の加入条件を満たした場合に、次の基準に基づき給与から保険料を控除します。今年度保険料の改定となる従業員の年齢・生年月日を一覧表で作成しておくと便利です。
なお、下記の加入条件は、社会保険及び雇用保険の加入条件を満たした従業員の事例になります。
➀ 介護保険は40歳以上の方が加入します。40歳未満は保険料を支払う必要はありません。
※3月分より協会けんぽの健康保険料率変更あり(全員対象)
➁40歳以上になると全ての社会保険に加入する必要があります。
※3月分より協会けんぽの介護保険料率変更あり
➂これまでは、4月1日現在で64歳以上の方は、本人と会社の雇用保険料が免除されていました。しかし、令和2年4月からは
この免除制度が廃止されたため、65歳以降の方でも雇用保険料を控除する必要があります。
➃65歳以上の介護保険料は、原則として公的年金から自動的に引かれます。そのため、給与からは控除しません。
➄70歳以上の方は厚生年金から外れるため、保険料を支払う必要はありません。ただし、在職老齢年金の対象になるため、目安
として年収の12分の1と老齢厚生年金の月額の合計額が47万円を超えると、超えた金額の1/2が年金から減額されます。
➅75歳以上の方は後期高齢者医療制度に移行となり、保険料は原則として公的年金から自動的に引かれます。そのため、給与か
ら控除しません。(令和2年4月現在)
保険の種類 | 社会保険 | 労働保険 |
健康保険 | 介護保険 | 厚生年金 | 雇用保険 | 労災保険 | |
①40歳未満 | 〇 | ✕ | 〇 | 〇 | ✕ |
②40歳以上 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
③64歳以上 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
④65歳以上 | 〇 | ✕ | 〇 | 〇 | ✕ |
⑤70歳以上 | 〇 | ✕ | ✕ | 〇 | ✕ |
⑥75歳以 | ✕ | ✕ | ✕ | 〇 | ✕ |
本人の給与から 〇:控除するもの ✕:控除しないもの
※労災保険料は全額が会社負担になりますので、給与からは引きません。