2023年上期 お問合せランキング
2023/07/20
2023/07/20
今月号は人事・労務に関して、2023年上半期でお問合せや相談の多かったテーマについて総括します。
この3年間は、雇用調整助成金などに代表される新型コロナウイルス関連の問合せが常に上位にランクされていました。
しかし、感染者数の減少と5月より5類感染症に分類されたことから激減しました。代わって急浮上したのが、「賃上げ」
です。
グローバル企業や高度人材を確保する企業では思い切った賃上げを実施しています。
新卒者の初任給相場においても、これまで同業種内で足並みを揃えていましたが、各社の人事戦略が反映される賃金制度
ととなっています。
「賃上げ」の詳細については、2023年2月14日に掲載したこちらの記事をご覧ください。
実務面からみて詳しく解説しています。
賃上げとは? ベアとは? 定昇とは? (クリックで別記事に飛びます)
なお、長年ダントツで第1位を続けている「人手不足・採用難」は、これからも続く経営課題でもあるため、ランキング
から除いています。
『第1位 賃上げ』
先日、連合(主に大企業が対象)が公表した2023年春闘の賃上げ率は、平均で3.58%と約30年振りの3%台となりました。
厚生労働省調査では30人未満の中小零細企業は、2.1%で26年振りの高水準です。予想通りいずれも高い引き上げ率です。
この大幅な引上げの背景には物価高騰と人材確保があります。最近物価はやや落ち着いているようですが、人手不足は来年
以降も続きます。
10月には最低賃金の大幅引上げも予想され、全国平均で1,000円台の可能性もあります。今年の賃上げが終わったばかりで
すが、すでに来年についての議論も始まっています。
『第2位 男性の育休取得』
これまで助成金申請の関係で男性社員が数日育休を取得することはよくありましたが、最近では2~3ヵ月もの長期間取得す
るという話をよく耳にします。
その要因として、昨年改正された育児介護休業法(産後パパ育休の創設)があります。
総論として、少子化に歯止めがかからない日本にとってはとても良いことです。異論を唱える人はいません。
しかし、各論となると〝そうはいっても〞というのが各社の実情です。
男性育休への理解と長期離脱による社内体制の整備にはまだまだ時間がかかりそうです。
『第3位 パワハラ』
徐々に話題は薄れてはいますが、パワハラは相変わらずの定番です。パワハラは何故企業にとって良くないかといいますと、
まず職場の雰囲気が悪化します。
そして必ずといっていいほど従業員の退職へとつながるからです。新規採用が困難な折、ハラスメントによる貴重な戦力の
離脱は企業にとって痛手です。
『第4位 インフレ手当(物価手当)』
昨年末から物価高騰による従業員の生活支援としてインフレ手当(物価手当)を支給する会社が多くなりました。
今年度はどうなるのでしょうか? 一時的なブームで終わるのでしょうか?それとも物価高騰が続けば慣習化するのでしょ
うか?
『番外編 ランサムウェアによるシステム障害』
6月上旬、当社が使用している社労士向けに開発された業務システムが、ランサムウェアによるシステム障害により使用でき
ない日が続きました。
この時期は通常業務に加えて、労働保険料申告、社会保険算定基礎、夏季賞与計算、住民税改定、派遣業報告が加わる超繁忙
期でもあるので大いに支障を来しました同システムを使用している全国の社労士事務所でも大騒ぎしています。
最近サイバー攻撃が増えていますので、皆様もくれぐれもご注意ください。
社会保険労務士法人 ジンザイ
〒221-0056
横浜市神奈川区金港町6-14 ステートビル横浜6階
(横浜駅下車 きた東口徒歩5分)
TEL:045-440-4777