子の看護休暇の時間単位取得が可能になりました!
2021/02/22
2021/02/22
令和3年1月1日より、子の看護休暇と介護休暇が時間単位で取得できるようになりました。
これまでは日単位または半日単位だったので、より細分化されたことになります。
共働き家庭の増加や高齢化など、社会の変化に伴って、育児や介護をしながら働く労働者が増えているのが背景にあります。
時間単位の取得は、管理が煩雑になるなどのデメリットもありますが、従業員の事情に合わせた柔軟な対応をすることで、
離職防止にもつながります。
ご時世柄、男性経営者の皆さまは女性蔑視と言われることのないよう、この機会に子の看護の現状について理解を深めてもらえれば
幸いです。
企業規模は問わず、子の看護休暇の取得は全労働者が対象になります。
改正前は「日単位・または半日単位」とされていましたが、改正後は「日単位または時間単位」での取得が可能とされました。
また、「1日の所定労働時間数が4時間以下」の労働者は制度利用の「対象外」となっていましたが、今回からそれらの労働者も対象です。
今後は、育児をする従業員から申し出があった場合、休暇を時間単位で取得することを認める必要があります。
子の看護休暇は、負傷または疾病にかかった子の世話のほか、予防接種や健康診断等の事由で取得できる休暇です。
厚生労働省の平成30年度雇用均等基本調査によると、子の看護休暇制度の規定がある事業所割合は60.6%、規模別にみると500人以上で
98.7%、
100~499人で92.5%、30~99 人で78.8%、5~29人で56.2%となっており、規模が大きくなるほど割合は高くなっています。
規定内容は、小学校就学の始期に達するまでの子が対象で、「子が1人の場合は5 日」「子が2人以上の場合は10 日」と法定通りの内容が
最も多くなっています。
賃金の取扱いについては、「無給」が65.2%、「有給」が28.0%、「一部有給」が6.2%となっており、無給としている企業が多いことが
わかります。
無給の場合、従来であれば少なくとも半日分の賃金が控除されていた労働者にとって、時間単位であれば控除が最小限に抑えられることは
メリットとなります。
また、以下の表のように、休暇を取得する労働者は男女ともに年々増えています。
子の看護休暇取得状況別事業所割合 (%)
小学校就学前までの子を持つ労働者がいる事業所計 |
子の看護休暇 取得者あり |
||||
男女とも
取得者あり |
女性のみ 取得者あり | 男性のみ 取得者あり | |||
平成24年度 | [24.8]100.0 |
21.6 (100.0) |
(12.2) | (72.0) | (15.8) |
平成26年度 | [32.5]100.0 |
20.4 (100.0) |
(20.0) | (59.6) | (20.4) |
平成30年度 | [33.9]100.0 |
51.5 (100.0) |
(34.4) | (34.6) | (31.0) |
注:[ ]内の数値は、全事業所のうち、小学校就学前までの子を持つ事業所の割合です。
平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に子の看護休暇の取得者がいた事業所の割合は51.5%、平成26年度の20.4%を大きく
上回っています。
この傾向はおそらく今後も続き、就業規則の改定や労使協定を結び直すことが必要となります。
また、運用面でも、遅刻や早退と区別し、「賞与や昇進に不利益な算定としない」「有休と異なり時季変更権がない」等、注意する点もあります。