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変えなければならないもの、変わってはならないもの

変えなければならないもの、変わってはならないもの

2025/12/09

東京モビリティーショー

先月(11月)、東京ビックサイトで開催されていたモビリティーショー(旧東京モーターショー)に行ってきました。自動車そのものへの興味は高い方ではないのですが、業界としては100年に一度の大変革期と言われており、最近ではトランプ関税や韓国・中国系企業の攻勢など転換点を迎えているので、関心はあります。

 

自動車業界は、AIを駆使して製造工程の自動化や自動運転技術を模索している最先端の産業です。

常に最新鋭の新車が発売できるよう各社が鎬を削っている未来志向です。

 

各社の経営トップが自らデモンストレーションをしていたこともあって、テレビでも大々的に報道されていました。近々に発売される新車、日本では珍しい超デラックス車、空飛ぶ自動車など各社の自信作をひと通り見ることができました。

意外だったのは、これだけトランプ関税で自動車業界を叩いているのに、肝心のアメリカ社の出店は1社もありませんでした。

アメリカは自国の競争力を高めるよりも、関税で障壁を築き自国産業を堅守しようとしているように映ります。

 

 

運慶展

その日、次に足を延ばしたのは上野の東京国立博物館で開催されている「運慶」展です。

周知のとおり運慶は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した仏像の彫刻家です。東大寺南大門の金剛力士像が代表作です。

展示されている仏像は、いつもは奈良・興福寺に安置され非公開となっている阿弥陀如来像と2体の菩薩像、そして鬼の形相の四天王像、計7つの国宝です。

800余年という悠久のときを経た今でも、見る人すべてを魅了する風貌はいつまでも変わることはありませんでした。

 

 

変わらなければならないも、変わってはならないもの

モビリティーショーと運慶展は両極端の催しです。「動」と「静」とも言えます。

 

前者は、常に進化し停滞が許されない業界の展示会。

最新の技術を提供することに価値が見出されるため、イノベーションが求められます。

後者は創作された当時の状態を維持し続け、年月が経てば経つほど価値のでる展覧会。イノベーションとはまったく無縁です。

 

昨今、世界中の株式市場をはじめとして何処も彼処もAI一色に染まっています。

インターネットの登場以来、あるいはそれを超える技術革新だと大騒ぎしています。関係する会社ではこの流れに乗り遅れると、まるでガラパゴス化するかのように喧伝していますが、モビリティーショーに行くと確かに納得感はあります。

 

一方、運慶展に代表されるように、いつの時代でも変わらないものには安心感や信頼感があります。

決して奇をてらうようなことはなくても、何故か人を引き付ける吸引力があるのです。

 

経営も同様で、何でもかんでも変えなければならないという訳ではありません。時代の流れに順応して変わることに価値があるものと、いつまでも原形を維持して変わらないことに価値があるものを見極める大切さを学んだ1日でした。

 

 

 

 

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