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何を評価するのか?

何を評価するのか?

2025/05/19

 

新年度は新入社員の入社や賃上げなどがあって、人事が最も忙しい時期です。

この時期、もうひとつ大事な人事に、昇進・昇格や異動、あるいは役員就任があります。

年中行事とはいえ、役職が上がれば上がるほど難しい人事です。

 

これらを決める判断基準のひとつに「評価」というものがあります。

「評価」ほど永遠に解答の出ないものはありません。

どの社長も一度や二度は必ず突き当たる難問です。

「誰が評価しても、同じような結果となる制度を作って欲しい」という要望を聞くことがありますが、永遠の課題ともいえます。

 

評価について、最近ではやたらとカタカナ用語を使ったり、システム活用したものが流行っていますが、

基本知識を押さえていないと機能しないものと考えています。

 

そこで、評価をする際に知っておきたい原理原則を歴史的な観点から2つご紹介します。

 

 

功・過・行・能

日本の人事評価制度の歴史は古代にまで遡ります。

 

飛鳥時代、評価は官吏(国家公務員)の勤務評定の判断基準として使われていました。

出土した木簡には「功過行能」という評価基準が記されています。

 

「功」は「功績」、「過」は「過失」、「行」は「行動」、「能」は「能力」を意味します。

古代人は、仕事の出来栄え、行動、能力の度合いを総合的に評価していたのです。

 

ちなみに、「評価」と同意語(あるいは正式な用語)に「考課」というものがあります。

「考課」の語源は「功(こう)」と「過(か)」で、手柄(功績)と失敗(過失)という信賞必罰を見定めることとされています。

 

今日、一般社員を評価する際に使用する評価シートでは、業績、行動、能力の3つの要素がよく使われています。

「業績」は売上高やクレーム件数等の成果を、「行動」は仕事への取組み姿勢を、「能力」では業務に必要な知識等の保有度を測ります。

古代の「功過行能」とほぼ変わりません。

1300年以上も前の評価基準が今の時代でも使われているのは、感慨深いものがあります。

 

 

功ある者には禄、徳ある者には地位

もうひとつは西郷隆盛の有名な教えです。

中国の歴史書「書経」を引用して、人事処遇の秘訣を説いています。

「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」。

つまり、「業績をあげた者にはお金で報い、人徳やリーダーシップのある者には高い役職に就かせよ」ということです。

 

逆説的にいえば、会社業績に多大な貢献をしたトップセールスが、必ずしも組織のトップに就くのが相応しいという訳ではありません。

いくら人徳やリーダーシップがあるからといって、高賃金を払う必要もないのです。

これは役員や幹部社員の登用・抜擢の際に、参考になるのではないでしょうか。

 

古の教えは、今の時代でも十分に通用しています。

評価や処遇で悩んだとき、こられの原理原則や先達の教えを思い出してみてはいかがでしょうか。

 

 

参考文献

『人事の古代史』(ちくま新書)  著者:十川陽一氏

『人事の日本史』(朝日新書)   著者:遠山美都男氏 他

 

 

 

 

 

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