令和2年3月30日より 求人票の不受理範囲が拡大されました!
2020/04/30
2020/04/30
求人に関する法改正
新型コロナウイルス感染症の拡大により、営業自粛が広がっています。つい1カ月ほど前までは超人手不足状態で、中小企業では採用が非常に困難でした。内定取り消しもで出ており、長年続いた需給関係の潮目が変わりました。
これまで採用に苦労しており、コロナショックの影響が少ない会社では、チャンス到来と言えます。超売り手市場から買い手市場へと180度変わる可能性もありますので、優秀な人材が確保しやすくなります。
しかしながら、求人にあたっては、令和2年3月30日より、次のような法改正が施行されましたので留意しなければなりません。
法改正の内容
職業安定法では、ハローワークや職業紹介事業者等は「求人の申込みは全て受理しなければならない」としており、原則として企業からの求人の申込みを断ることはできません。
しかし例外として、新卒求人に限り、一定の労働関係法令違反をした企業の求人を、ハローワーク等は不受理とすることができます。
加えて、令和2年3月30日からは、新卒求人だけでなく、すべての求人で一定の労働関係法令違反をした企業の求人申込を受理しないことができるようになりました。
ここでいう「一定の労働関係法令」とは、以下のものをいいます。
☑労働基準法 ☑最低賃金法 ☑職業安定法 ☑男女雇用機会均等法 ☑育児介護休業法 |
「一定の労働関係法令に違反している」状態とは?
会社としては、求人不受理の拡大に対して、どのように対応していけばよいのでしょうか。
まず、求人が不受理となる際の流れを把握する必要があります。「一定の労働関係法令に違反している」状態とは、以下の通りです。
(1)労働基準法および最低賃金法のうち、賃金や労働時間等に関する規定 ➀過去1年間に2回以上同一条項の違反について是正指導を受けている場合 (A) ➁対象条項違反により送検され、企業名が公表された場合 (B) ➂その他、労働者の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがある場合 (A) (社会的影響が大きいケースとして公表された場合等) (2)職業安定法、男女雇用機会均等法および育児介護休業法に関する規定 |
このように、単に違反しているだけで不受理になるわけではなく、特に悪質で是正の見込みがない場合に不受理となります。
また、上記の法令違反により不受理となった場合の不受理期間は、以下の通りです。
【不受理となる期間】
イ)上表(A):法違反が是正されるまでの期間 + 是正後6カ月経過するまで
ロ)上表(B):送検された日から1年経過するまで
(ただし、是正後6ヶ月経過するまでは1年経過していても延長)
該当する法令に違反したからといって、直ちに求人不受理となるわけではありません。よって、仮に対応が間に合わず、法令違反の是正勧告を受けたとしても、是正勧告に従い、法令違反の状態を是正し、きちんと報告すれば、求人が不受理となることはまずありません。
そのため、会社として、まずは労働局や労働基準監督署から是正勧告を受けないこと、あるいは仮に是正勧告を受けたとしても、その後きちんと是正を行うことが重要です。
詳しい内容は、厚生労働省ホームページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000184718.pdf