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「年収の壁」のポイント解説②~所得税編~

「年収の壁」のポイント解説②~所得税編~

2026/05/15

前回では社会保険の年収の壁に関する法改正のポイントを解説しました。

所得税においても、最低賃金の大幅な引き上げや加速する少子高齢化、人手不足に対応するため、

3月31日に、2026年度の税制改正関連法が参議院で可決、成立し、新たな年収の壁として変更されました。

 

今回の法改正により、非課税の範囲内で働くパートタイマーの労働時間を長くすることが可能となりますので、

人手不足で悩む会社にとしては朗報です。

 

年収の壁は、社会保険と税制の両方を検討する必要がありますので、社会保険の年収の壁と併せて従業員に説明して、

労働時間延長を依頼してみてはいかがでしょうか。

 

 

1.本人の所得税の壁の法改正

長い間「103万円の壁」として浸透していた所得税の年収の壁ですが、2025年度の「160万円」への引き上げから、今年度は「178万円」になりました。

 

この178万円という数字の根拠は、国民民主党が2024年に掲げていた公約であり、103万円の壁が設定された1995年からの最低賃金の上昇率に基づいて算出されています。

1995年の最低賃金は全国平均 611円であり、2024年は1,055円ですので、約1.73倍上昇しています。

所得税の壁である103万円を同様に1.73倍した結果、「178万円の壁」となります。

 

最低賃金の引上げを考慮しなければなりませんが、月々の収入に換算すると、

2026年度は2024年度と比べれば約63,000円分長く働くこともできます。

 

2024年度 : 103万円÷12ヶ月=約85,000円/月

2025年度 : 160万円÷12ヶ月=約133,000円/月

2026年度 : 178万円÷12ヶ月=約148,000円/月

 

 

 

2.扶養親族の所得税の壁の法改正

続いて、扶養親族の所得税の年収の壁についてです。

こちらも103万円の壁として浸透していましたが、2025年度には「123万円」に引き上がり、2026年度には「136万円」まで上がりました。

 

配偶者の場合は、配偶者特別控除があるため年収160万円までは136万円の壁と同額の控除(所得税のメリット)を受けることができます。

2024年度と比べて約28,000円上がりました。

 

2024年度 : 103万円÷12ヶ月=約85,000円/月

2025年度 : 123万円÷12ヶ月=約102,500円/月

2026年度 : 136万円÷12ヶ月=約113,000円/月

 

 

3.実質的な課税ラインは210万円

「1.本人の所得税の壁の法改正」で178万円が所得税の年収の壁と説明しましたが、

これはあくまで所得税の壁であって、実質的な年収の壁は約「210万円」となります。

 

どういうことかと言いますと、所得税は、所得税の対象となる収入から社会保険料を控除した後の金額(課税対象額)に対してかかります。

つまり、あくまでも社会保険料を控除した後の年収が178万円までであれば、所得税がかからないこととなります。

 

一般的に178万円くらい年収のある人は、社会保険加入要件を満たすケースがほとんどですので、178万円の壁というのは、

社会保険料控除後の年収が178万円を下回っていれば所得税がかからないというのが、正式な定義となります。

 

下図のとおり、年収210万円の人は社会保険料が約32万円かかります。

残りが178万円未満であれば所得税はかからないということになるのです。

 

※年収の内訳

所得税の非課税額 178万円
(社会保険料控除)
社会保険料
約32万円
年収210万円

 

 

 

 

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