新卒採用の2大法則
2021/06/09
2021/06/09
2020年10月に厚生労働省より3年前の2017年3月に卒業した新卒者の離職率が発表されました。
本統計によると、3年以内に離職した割合は学卒別で中学卒59.8%、高校卒39.5%、大学卒32.8%です。
従来から新卒者の3年以内の離職率は「7・5・3現象」と言われています。
近年の統計では中学卒が約60%、高校卒が約40%、大学卒が約30%の水準で推移しています。
離職率の特徴としては、企業規模が小さくなるにつれて高まる傾向があります。
従業員数1,000人以上の大企業では、高校卒27.4%、大学卒26.5%で4人に1人は3年以内に退職しています。
ボリュームゾーンの5~29人や30~99人の中小企業では高校卒が46~55%、大学卒が40~50%と、約半数が辞めています。
これほど離職率が高く、しかも手間もかかりお金もかかる新卒採用を、なぜ企業は毎年行うのでしょうか?
20年以上企業人事のサポート業務をしていると、定性的な要素が多い人事には、何か法則のようなものがあるのではない
かと思います。
そのひとつに、「中途採用から新卒採用に切替え、毎年続けている会社は大きくなる」というものです。
企業規模を拡大するには、価値観を統一しベクトルを合わせることが不可欠です。
異文化が混在した中途採用だけでは自ずと限界があるのです。
新卒採用への切替えに併せて、教育体制や制度整備が進み強固な企業体質に変わります。
曖昧模糊とされていた社内ルールが就業規則の整備により明確となって、規律ある組織へと変貌します。
また、後輩が入ることで新人に近い先輩社員は追い越されないようにと刺激を受けます。
会社全体が活性化します。
体系的な教育の実施により職業能力も向上します。
新卒採用に切り替えてから、従業員数が2倍、3倍、4倍と拡大した企業を何社も見ていますので、会社を大きくしたい経営者
には、新卒採用を勧めています。
勿論、中途採用で規模が拡大した会社もあります。
しかし、そのような会社であってもどこかで壁にぶつかり、新卒採用に転換する傾向があります。
壁を乗り越えていくには全社一丸となった価値観の統一が欠かせません。
新卒採用には、もうひとつの法則があります。
「新卒で入社した従業員が全体の半数を超えると、会社は変わる」というものです。
50%を超えれば自ずと支配権を有します。
会社を変えるのは並大抵なことではありませんが、過去の風習に浸っていない従業員が半数を超えれば、新しい価値観、企業
文化が醸成されます。
規模の拡大と同時に、好ましくない社風を変えたいと思う会社では、半数を超えるまで新卒採用を続ける必要があります。
コロナ禍により、以前よりはいくらか人手不足感が緩んできたと言われています。
何年も新卒採用ができなかった企業には、チャンス到来です。
社会保険労務士法人ジンザイでは、新卒採用に関する各種のご相談にも応じています。
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